難しい、だからこそ
極めたい精肉の仕事。
見たことのない景色を
見るまで、挑戦し続ける。

  • 精肉部
  • 2015年 新卒入社
  • 主任
  • 今里 憲輔

成長できる環境を求めて、佐竹食品グループに

人見知りだった自分が学生時代にアパレルでアルバイトをしたのは、自分のコミュニケーション力を磨きたかったから。全ての仕事が人と関わって成り立っている。人と人を繋ぐコミュニケーション力を高められれば、きっと社会で活躍できる。ちょうどその頃、自分の家の近くに、satakeの尼崎道意店がオープンした。何気なく訪れたスーパーマーケットに溢れていたコミュニケーションの量に驚いた。入り口から溢れてくる元気な声、店内の至るところでお客さんと店員さんが会話をしていた。就活の時に佐竹食品グループの説明会を聞いて、「接客」「コミュニケーション」に力を入れているということ、「日本一楽しいスーパーを目指しているから」という理由を聞いて、納得した。もう一つ、心に残った言葉は「挑戦」。会社も挑戦している、社員も1年目からどんどん挑戦できる。自分が求める成長に向けて挑戦できる場所、そう確信をして入社を決めた。

配属希望は精肉。コミュニケーション力に加えて、「職人」としてのスキルを身に付けたいと思った。同じ生鮮という分野で魚や野菜にも興味を持ったけれど、魚や野菜はご家庭でもさばくこともできる。お肉の塊をさばくスキルは、なかなか身につけられないと思って「精肉」を希望した。ただ、全くの未経験。「自分にできるだろうか」という不安が無かったと言えば嘘になる。でも、「挑戦するために佐竹に決めたんだ」という入社動機が、自分を突き動かすエンジンになってくれた。

技術とコミュニケーションで楽しい売り場をつくる

自分が切ると30分以上かかる肉の塊を、主任が15分以内で美しくさばいていく。その姿がカッコよくて、一日でも早く追いつきたいと思った。全ての作業を、すぐに主任のようにできるようにはなれないけれど、1つの肉の1つの作業に限定すれば、きっと自分も習得できる。そう信じて、ひたすら練習をした。先輩が作業している姿をスマホで撮影させてもらい、家で動画を観ながら練習した。自分が左利きだったので、動画を鏡に映して同じ向きになるように調整をして。夢中になれたのは、お店の人たちみんなが応援してくれたからだと思う。早く一人前になって、自分も店の一員として役に立ちたい。その一心だった。

精肉の仕事は、奥が深い。同じ肉でも厚さが1ミリ違うだけで、味わいが変わる。ステーキにするのか、すき焼きにするのか、炒めものにするのか、しゃぶしゃぶにするのか、種類ごとの肉の味を見極めて、適切な厚さに切る技術の探求には終わりがない。そしてもう一つ、何よりも大切なのは会話だと思う。一人ひとり「味」の感じ方や好みが違うから、「誰が食べても文句なく美味しいお肉」というのは本当に難しい。でも目の前のお客様にとって「美味しいお肉」は、会話によって辿り着けることができる。どんなお肉が好みなのか、どんな料理を作ろうと思っているのか、会話をしていく中にヒントがある。2ヶ月間、自分の中で勝手に「接客強化期間」というものを設けて、ひたすら売り場に立った。この期間は「質問されたら答える」ではなくて「悩んでいるお客様にこちらから」声をかけていった。「こうやって食べてみてください!」「ぜひまた感想を聞かせてください!」とコミュニケーションをとるうちに、リピートして下さるお客様が増えていった。

辿り着きたい目標に向けて、挑戦し続ける

「お兄ちゃんが選んだ肉が美味しかったから、また教えて!」と言って何度も来て下さる女性が、一度娘さんを連れてきてくれたことがあった。「ところでお兄ちゃん、結婚してるん?」「突然何言うのよ、お母さん!笑」と娘さんがツッコむ。お客様との距離感を表す佐竹食品グループのエピソードとして、聞いたことがあったけれど、まさか自分にそれが起きるとは。自分にも「ファン」のようなお客様ができたことが、とにかく嬉しかった。

主任になると、「挑戦」できる範囲は格段に広がる。作業だけではなく全体を、売上だけではなく利益を、自分だけではなくチームを、広い視野を持って動かしていく。ある年の年末、僕らは「伝説」に挑んだ。普段の休日の2倍、平日の6倍の売上を目標に掲げた。部門のメンバーには1年目や3年目の若手も多い。自分もまだまだ若手の主任。若いチームで、お店の記録となるような売上をつくってみせる。12月31日に向けて、10月から仕入れの会社さんに声をかけ、「絶対に売ってみせるから、このグレードのお肉を集めてください」と声をかけた。どう考えても無茶な目標だと、仕入れ会社の人たちも思っただろうけれど、「任せてください!」と言って僕らの挑戦に力を貸してくれた。お祭りのような1日、役割分担をしながらもお互いをフォローし合い、縦横無尽に動いた。結果、目標達成。過去最高記録を樹立。チームでやりきった後の爽快感は、何物にも代えがたかった。

ここが限界だと、まだ感じたことがない。目標を達成した先には、辿り着きたい新しい目標が生まれる。いつか店長になって、今よりも大きなチームを率いて、より高い目標に挑みたい。乗り越えた先の、まだ見ぬ景色に向かって、挑戦を続けていく。

2022年2月取材時点

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