鮮魚の仕事、佐竹の仕事、
それがこんなにも
楽しい理由
- 鮮魚部
- 2018年 新卒入社
- 主任
- 木下 浩希
大手のスーパーではなく佐竹を選んだ理由
美味しいものを食べると、人は幸せになれる。その幸せを届ける側の人間になりたいと思って就活をしていた。学生時代にスーパーマーケットでアルバイトをしていた経験もあって、スーパーマーケットを中心に企業選びをしていた。全国展開しているスーパーや、関西だけで数百店舗出店しているスーパーと比べると、当時の佐竹食品グループの店舗数は40店舗ほどで、規模だけで比べると全然小さかった。そんな会社が熱意を持って語る「日本一楽しいスーパー」という壮大なビジョンに惹かれた。
まだまだ店舗数も少ない。だからこそ挑戦し甲斐がある。出来上がったスーパーに入るよりも、ともに創る方がきっと面白い。従業員数も大手のスーパーより少ない分、間違いなく1人あたりが任される裁量権も大きいだろうと、ちゃんと計算している自分もいた。魅力的なビジョン、挑戦できる環境、美味しいものを届けられる仕事。熱く共感した部分ももちろんあるけれど、冷静に考えても自分の人生を賭けて挑戦する価値があると判断して、入社を決めた。
学生時代はスーパーで精肉のアルバイトをしていたので、配属の第一希望は、実は精肉だった。少しだけがっかりしたけれど、鮮魚も包丁を使って自分の腕で美味しいものをつくりだせる仕事。すぐに切り替えて、鮮魚部門で自分の腕を磨こうと決めて、店舗配属の日を迎えた。
不器用な鮮魚担当が仕事に夢中になれた理由
鮮魚部門は、スピードが命。朝一番に主任やエリアマネージャーが市場から仕入れてきた魚を、朝7時からお昼までの間に、すべておろす。最初の2ヶ月ぐらいは、先輩や上司が魚をさばくスピードに圧倒されて、ついていくのがやっとだった。「これは苦労するな」と冷静に考えている自分がいた。なぜなら、自分は手先が不器用だから。腕一本で、ということに憧れながら、元々はめちゃくちゃ不器用。ただ、不思議と焦ることはなかった。成長のための道すじはシンプル。とにかく数をこなす。不得手なのは、経験が少ないから。落ち込んでいても仕方がない。時に叱られることもあるけれど、それも当然。上手くなるための方法を教えてくれることに感謝して、とにかくたくさんの魚をおろした。
自分の成長という点で、鮮魚部門がとてもよかったと思っているのは、技術によって明確に成果に差が出るということ。美しい切り身とそうでないものでは、売れ方が明確に違う。売上という数字でも明らかだし、お客様の反応も違う。上手に切れた魚は「きれいやなぁ」「美味しそうやなぁ」という反応とともに、買い物かごに吸い込まれていく。自分の仕事がはっきりと成果として現れる。それが鮮魚の厳しさでもあるし、手応えだらけの面白さでもある。季節によって旬な魚も様々、一つの魚でも調理方法も様々、切り方一つで舌触りも味も変わるという鮮魚の仕事の面白さに、いつのまにか夢中になった。
「日本一楽しいスーパー」に辿り着けると思う理由
鮮魚で主任になる醍醐味の一つは、やっぱり市場での仕入れ。大手のスーパーだと、いわゆる「バイヤー」と呼ばれる立場にならないと、なかなか担当することはできない。市場に行っても、自分ぐらいの年齢で仕入れに来ている人は少ない。市場にはちょっと怖そうなイメージがあるけれど、全然そんなことはない。若いからこそ市場の人たちは可愛がってくれるし、若いうちから市場に出入りできることで、長い時間をかけて信頼関係を創れる。「裁量権が大きいだろう」という僕の入社前の見立ては、間違っていなかった。
売り場には、珍しい魚も並べる。大きなイタチザメを並べてみたり、発泡スチロールからはみ出すぐらいの25キロのロウニンアジを並べてみたり。お子さんが「水族館みたいや!」と喜んでくれている姿を見ると、こちらまで嬉しくなる。鮮魚部門という立場からお店を盛り上げていく、僕らの腕の見せどころだなと思う。
約5年働いてみて、「日本一楽しいスーパー」になるために何よりも大切なことは、自分自身が仕事を楽しむことだと、僕は思う。幸いなことに、魚を極めるにはまだまだ道のりは長く、「もうできた」なんて飽きることは永遠にないだろう。幸いなことに、若くから市場に行けているのでこれからもたくさんの魚や食べ方に出会えるだろう。幸いなことに、売り場で挑戦することを会社が応援してくれるので、失敗しながらも面白いことに挑戦し続けられるだろう。僕自身がお客様の方を向いて、とことん仕事を楽しむ。それがきっと「日本一楽しいスーパー」へと続く道だと思う。
2022年2月取材時点